新琴似屯田兵中隊本部
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新琴似屯田兵中隊本部は、屯田兵第一大隊第三中隊が置かれた新琴似兵村に、屯田兵の入植が始まる2年前の明治19(1886)年に建築された。
中隊本部建築物としては野幌とこの新琴似のみが現存する。
昭和49(1974)年、札幌市の有形文化財に指定され、以降、住民らによる新琴似中隊本部保存会が、保存管理に当たっている。
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[編集] 特徴
- 明治期の北海道の建築物に多く見られるに米国風バルーンフレーム様式で、床面積は1階が42.5坪(約140㎡)、屋根裏の2階が36坪(約118㎡)。
- 中隊長室、下士官集会所、下士官事務室、軍医室などからなっていた。
- 現在は、屯田兵ゆかりの住民らから寄せられた日清、日露戦争の従軍記章や屯田兵手帳はじめ、さまざまな農具、生活用品など約200点が展示されている。
[編集] 歴史・エピソード
- 明治23(1890)年8月18日(軍法会議録の公開によって10月8日の従来説は覆された)夜、中隊本部にいた第三中隊長の安東貞一郎大尉が銃撃される事件が起きた。負傷者はなかったが、主犯格の黒田熊次郎が暴行罪などで無期懲役となるなど屯田兵7人が軍法会議で処罰された。米価高騰を背景に積穀(備蓄米)の返納を求めた屯田兵170人と中隊長との軋轢から生じた事件で、ほかに8人の屯田兵が命令違反や護送妨害の罪で処罰された。(新琴似中隊本部襲撃事件を参照)
- 兵役免除となってからは新琴似兵村会の共有財産として兵村会や産業会の事務所、公会堂などとして利用され、戦後は学校の仮校舎、保育所などにも使用された。札幌市に寄付された後、一時、取り壊しの運命にあったが、 地元町内会や屯田兵の子孫らが強く反対し、札幌市は昭和43(1968)年に復元工事に着手した。
[編集] 見学
- 住所:札幌市北区新琴似8条3丁目1-8 新琴似神社境内地下鉄麻生駅から徒歩約10分
- 開館: 4/1~11/30の火木土曜(祝日休館)10:00-16:00
- 料金:無料
- 電話:011-765-3048
[編集] 参考
- 史跡・博物館ガイド/新琴似屯田兵中隊本部 北海道屯田倶楽部HP
- 屯田兵のデザイン/新琴似屯田兵中隊本部の鬼瓦 『屯田』第52号