屯田憲兵例則

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屯田憲兵例則

目次

[編集] 布令

 甲第三十六号(明治七年十月三十日)布令類聚
北海道屯田兵設置ノ義演武ノ方法等ハ陸軍省商議ノ上吋伺出旨昨年十二月中御達相成居候処憲兵ノ本旨ニ基キ実際ノ事状ヲ参酌致シ陸軍省照会ヲ経別紙ノ通地方適宜ノ方法調査致侯尤実地施行ノ際万一差支ノ廉有之候節ハ臨機処分ノ上開申可仕候条此旨御允裁有之度此設奉伺候也
     (御指令)十月三十日
伺之趣聞届侯事
 (別記)

[編集] 緒言

 緒言
開拓ノ業漸ク緒ニ就キ戸口従テ繁殖ス之ヲ保護スルノ兵備無カルヘカラス故ニ今般政府ノ允裁ヲ経往古兵ヲ農ニ寓スルノ意ニ基キ屯田ノ制ニ倣ヒ新タニ人民ヲ召募シ兵隊ニ編入シ其土地ヲ保護ヲ為サシム凡ソ其撰ニ充ル者専ラ力ヲ耕稼ニ尽シ有事ノ日ニ方テ其長官ノ指揮ヲ稟シ兵役ニ従事ス可シ故ニ平時農隙ヲ以テ調練ヲ為シ極テ欠失ナキヲ要ス因テ条例規則ヲ左ニ掲ク

 屯田兵
  編制 検査 昇級 勤務 休暇
  給助 請官ノ職務

 屯田兵

[編集] 編制

聯隊の人員表
各隊の編成一覧

 編制
一 屯田兵ハ徒兵憲兵ニ編制シ有事ニ際シテ速カニ戦列兵ニ転スルヲ要ス
一 上下士官ノ数多キヲ以テ連隊大隊等ニ属スル列外諸員ノ内平時ハ格別ニ之ヲ置カサルモノ多シ故ニ連隊大隊ノ長官適宜ニ編諸隊ヨリ取リテ其員ヲ充タスヘシ
一 屯田兵ハ一伍ヨリ組テ終ニ連隊ニ至ル即チ左ノ如シ
  但シ一分隊ハ六伍一小隊ハ四分隊一中隊ハ二小隊一大隊ハ二中隊一連隊ハ三大隊ニシテ之ニ附属スル諸官ヲ合ス者ナリ

一伍    
准伍長      一名
兵卒       四名
一分隊即チ六伍    
准少尉分隊長   一名
准軍曹      二名
准伍長      六名
兵卒     二十四名
      計三十八名  
一小隊即チ四分隊
准中尉小隊長   一名
准少尉      四名
准軍曹      八名
准伍長    二十四名
兵卒     九十六名
喇叭卒      四名
     計百三十七名
一中隊即チ二小隊
准大尉中隊長   一名
准中尉      二名
准少尉      八名
准曹長      一名
准軍曹     一六名
准伍長    四十八名
兵卒    百九十二名
喇吠卒      八名
    計二百七十六名
一大隊即チ二中隊
准少佐大隊長   一名
准大尉      二名
准中尉      四名
准少尉     十六名
会計方      一名
医官       一名
下副官准曹長   一名
准曹長      二名
准軍曹    三十二名
准伍長    九十六名
喇叭准伍長    一名
兵卒   三百八十四名
喇叭卒     十六名
    計五百五十七名
一連隊即チ三大隊
准中佐連隊長   一名
准少佐      三名
准大尉      六名
准中尉     十二名
准少尉    四十八名
会計方准少尉   三名
医官       三名
下副官准曹長   三名
准曹長      六名
准軍曹    九十六名
准伍長  二百八十八名
喇叭准伍長    三名
兵卒   千百五十二名
喇叭卒    四十八名
   計千六百七十二名

[編集] 検査

 検査
年齢 十八歳乃至三十五歳身体強壮ナル者

[編集] 昇級

 下士以下昇級法
一 曹長以下ノ欠員アルトキ之ヲ補フニハ少クモ左ノ時間ヲ経シ者ニ非レハ之ニ任スルヲ得ス

伍長  屯田兵トナリテ六ヶ月ヲ経シ者
軍曹  屯田兵伍長トナリテ六ヶ月ヲ経シ者
曹長  屯田兵軍曹トナリテ六ヶ月経シ者
下副官 屯田兵軍曹トナリテーヶ年ヲ経シ者

[編集] 勤務

 勤務
一 連隊長ハ其保護ヲ要スル最大緊要ノ地ニ在テ部下諸大隊ヲシテ力所及其連絡ヲ失ハス有事ニ際シテ速ニ一定ノ地ニ集合セシムルヲ要ス
一 有事ニ際シテ集合ノ場所ハ各小隊毎ニ適宜ニ定メ置キ兵卒全ク集合スルトキ小隊良之ヲ引卒シテ又各定メラレタル地ニ到ルヘシ
一 屯田兵諸勤務ハ凡ソ憲兵ノ規則ニ拠ルヘシト雖モ自今北海道ニ於テハ人民寡少服務閑暇ナルヲ以テ其細口ノ如キ之ヲ行フトキハ却テ経庭ヲ生スヘキカ故ニ各長官適宜ニ処分スルヲ以テ可トスヘシ
一 火災洪水其他非常ノ際ニ於テハ屯田兵直ニ其場所ニ出張シ人民ノ危急ヲ救ヒ又其物品保護ヲ為スヘシ
一 銃器農具等ニ損所アルトキハ伍長ニ申出伍長ヨリ係リ軍曹ニ申報スヘシ
一 一ヶ月ニ一度伍長ハ伍中ノ武器ヲ検査シ錆損所破綻等ヲ改ムヘシ
一 練兵ハ十二月ヨリ四月ニ至ル農事ノ間ニ当テ各所二中隊或ハ大隊ノ生兵ヲ集合シ生兵小隊撤兵射的ノ演習ヲ一過スルヲ要ス己ニ一過セル兵ニ於テハ農間ニ当リ各長官ノ見ヲ以テ時々復習セシムル以テ足レリトス

[編集] 休暇

 休暇
一 私用ニテ十里以外ニ出ル者或ハー泊ノ旅行ハ小隊ノ許可ヲ得二泊以上ハ中隊長ノ許可ヲ得ヘシ
一 定例ノ休日ヲ除クノ外開墾地へ出勤スヘシ

但病気其他ノ故アルトキハ其長へ届出ツヘシ

一 年中休業日左の如シ

元始祭    一月三日
孝明天皇祭  一月三十日
紀元節    二月十六日
神武天皇祭  四月三日
札幌神社祭  六月十五日
天長節    十一月三日
招魂祭
父母ノ祭日    
十二月二十七日ヨリー月七日マテ


[編集] 給助

  諸給助及貸渡器機定則
一 疾病アル者ハ給助年限中医薬ヲ給シ死スル者アレハ埋葬料ヲ給スヘシ
一 軍功死傷等ノ処分ハ都テ一般ノ軍隊ニ准スヘシ
     官物
武器     一切

給与品
農具
鍬(大・小)   二挺
鐇        一挺
砥(中・荒)   二個
鋸        一挺
山刀       一挺
鎌(柴刈・草刈) 二柄
鑢        一枚
莚        十枚
家具
鍋(大・小)   二個
手桶       一荷
釜        一個
小桶 三ツ組   一具
碗 三ツ組   三人前
澹        一荷
夜具
但十五歳以上四布一枚三布一枚十四歳ヨリ七歳マテ四布二枚六歳以下給セス
米七合五勺  十五歳以上一日一人分
米五合    十四歳以下七歳マテー日一人分
米三合    六歳以下一日一人分
金五十銭   十五歳以上一人一ヶ月塩菜料
金三十七銭五厘 十四歳以下七歳マテー人一ヶ月塩菜料
金二十五銭  六歳以下一人一ヶ月塩菜料
金二円    移住支度料十五歳以上一人分
金一円    移住支度料十四歳以下一人分
金三十三銭  旅費日当一日十里詰七歳以上一人分
       六歳以下ハ此半ヲ減ス
金二円六十銭 駄賃一日十里詰一戸馬二匹ノ割
       独身ノ者ハ此半ヲ減ス
居宅     一戸
但家族アル者ハ一戸ヲ給シ独身ノ者ハー戸四人トス給与年眼中妻ヲ娶ル者ハ別戸ヲ給シ其妻子ノ給助ハ夫ノ満期マテトス
埋葬料
金十三円     兵員
金七円五十銭   家族七歳以上
金三円二十五銭  仝六歳以下

 罰
一 有事平常ニ関セス凡屯田兵兵器ヲ以テ犯セシ罪科ハ軍律ヲ以テ処分ス其余平常ニ在テ武器ヲ用ヒサル者ハ国律ニ依テ処分スヘシ

[編集] 諸官の職務

 屯田兵諸官ノ職務
連隊長

部下屯田兵諸隊ノ服務ヲ総理シ会計等ノ書類ヲ監シ中隊以下微細ノ諸件ニ関ル事無シ
例年一度適宜ニ集合ノ地ヲ定メ部下ノ諸隊ヲ検閲ス

大隊長

部下中隊勤務ノ良否及会計諸類ヲ監シ連隊長ト中隊長ノ中間在テ事務ヲ為シ中隊長ヨリ出ス諸件ノ書類ヲ連隊長ニ呈ス

中隊長

部下屯田兵ノ勤務ヲ指揮シ又専ラ会計諸務ヲ任シ小隊長ヨリ差出ス諸件ノ書類ヲ大隊長ニ呈ス
此官ハ部下小隊ノ人員諸件ノ取締ヲ管理スヘシ

小隊長

屯田兵勤務上ノ細件ヲ管シ之ヲ指揮ス又分隊長ヨリ出ス勤務ノ書類ヲ検シ部下ノ人員調及諸取締等ヲ司トル

分隊長

平常諸伍ノ勤務ヲ監シ諸伍ヨリ出ス所ノ書類ヲ小隊長二出ス

勘定方

大隊長ノ指揮ヲ受ケ用度金及諸物品武器等諸入費ノ精算ヲ為シ事務多端ナルトキハ軍曹ヲ以テ助役トス
大隊長ノ文書ハ此官之ヲ任シ中隊小隊分隊ノ長官及伍長等ヘ直ニ往復ス
中隊ノ人員及馬匹ノ名簿モ亦此官ノ司トル所ナリ

下副官

大隊長ノ側ニ在テ中隊一般ノ勤務及着地ニ在ル諸伍ノ書務取締等ヲ司トル

軍曹

分隊長ヨリ部下ノ諸伍ニ下シタル命令ヲ能ク遵守スルヤ否ニ注意シ又諸伍ノ武器諸器機ニ損所アリテ引換或ハ修繕ヲ願ヒ出ルトキハ精細ニ之ヲ改メ其破損ノ原由ヲ書記シテ分隊長ニ出シ処分ヲ受クヘシ

伍長

伍中ノ取締ヲ為シ勤務ヲ式シ命令ノ布達等ヲ司トル
昼夜ニ限ラス差起リタル事件アルカ又ハ勤務ヲ為シタルトキハ直ニ分隊長ニ報知ス
至急ノ事件アルトキハ小隊長分隊長双方ニ報知スル事アル可シ
伍長疾病不在等ニ当リテハ古参ノ屯田兵代勤ヲ務ムヘシ


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