屯田兵条例

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[編集] 屯田兵条例

 屯田兵条例(明治十八年五月五日、太政官第十八号達)
 屯田兵条例左ノ通相定候条此旨相達候事
 明治十八年五月五日太政大臣公爵三条実美
       

[編集] 第一章 総則

第一条 屯田兵ハ陸軍兵ノ一部ニシテ北海道枢要ノ地ニ配置シ本道ノ警備ニ充ツ但第七軍管管下請県ニ全ク徴兵令ヲ施行スルニ至レハ之 ヲ廃スルモノトス

 其本部ハ之ヲ札幌ニ置ク

第二条 屯田兵ノ建制ハ概ネ歩兵隊ニ基クト雖モ兵ヲ農ニ寓スルノ主旨ニ依リ平常ハ給与ノ家屋ニ居住シ開墾耕稼ノ事ニ従ハシメ有事ノ日ニ方リテ戦列隊ニ編成シ敵衝ニ当ラシム

第三条 屯田志願者(函館県札幌県根室県及沖縄県ノ在籍者ヲ除ク)中身体強壮且ツ年齢十七歳以上三十歳以下ノ者ヨリ撰用ス

第四条 屯田兵タル者ハ其家族ト共ニ北海道ニ移住シ兵役ニ服スルモノトス

 其服役期限ハ予メ之ヲ定メス故ニ服役者死亡スルカ其他事故アリテ免除セサルヲ得サル時又ハ年齢四十歳ニ至レハ其子弟ヲシテ兵役ヲ相続セレム但幼弱ニシテ未タ服役ニ堪ヘサル者ハ其成長ヲ待テ服役セシム

第五条 屯田兵ノ将校下土及ヒ兵卒ハ第六条ヨリ第十三条迄ニ依リ其進級ヲ為スモノトス
    但進級法ハ其最下限ヲ示ス者ナルヲ以テ之ヲ超ユル者ト雖モ必シモ直チニ進級セレムルノ例ニアラス

第六条 屯田兵卒ハ入隊後六ヶ月ノ後生兵学卒業ノ上二等卒ヲ命ス

第七条 一等卒ハ屯田兵二等卒ノ服役六ヶ月ヲ経タル者ヨリ撰抜シテ之ヲ命ス

第八条 上等兵ハ屯田兵一等卒中ヨリ撰抜シテ之ヲ命ス

第九条 二等軍曹ハ屯田兵上等兵ノ服役六ヶ月(一等卒ヲ命スル日ヨリ起算ス)ヲ経タル者ヨリ撰任ス

第十条 一等軍曹ハ屯田兵二等軍曹ノ服役六ヶ月ヲ経タル者ヨリ撰任ス

第十一条 曹長ハ屯田兵一等軍曹ノ服役一ヶ年ヲ経タル者ヨリ撰任ス

第十二条 下副官ハ屯田兵曹長中ヨリ適任ノ者ヲ撰ミ之ニ任ス

第十三条 士官以上ハ屯田兵曹長以上ノ者ニテ左ノ停年最下限ヲ超エタル者ヨリ抜擢シテ順次進級セシムルモノトス

一 曹長ヨリ少尉ニ少尉ヨリ中尉ニ中尉ヨリ大尉ニ 満二年
一 大尉ヨリ少佐ニ               満四年
一 少佐ヨリ中佐ニ               満三年
一 中佐ヨリ大佐ニ               満二年

     但少尉ニ限リ試補ヲ置キ少尉ニ欠員アル毎ニ曹長停年ノ最下限ヲ超エタル者ヲ撰ミ少尉試補ニ陛セ其才能ヲ試ミ然ル後本官ニ任ス

第十四条 士官以上ノ欠員ハ前条ニ示ス如ク順次進級セシメ又ハ各兵科士官以上ノ者若クハ文官ヨリ適任ノ者ヲ採用シ補填スルモノトス    

[編集] 第二章 職制

第十五条 屯田兵本部長ハ少将若クハ屯田兵大佐一名ヲ以テ之ニ任シ直ニ陸軍郷ニ隷シ部下ノ屯田兵ヲ統轄シ其勤惰能否ヲ監視シ屯田兵本部ノ事務ヲ総理ス

第十六条 本部長ハ有事ノ日ニ方リテハ屯田兵ヲ指揮シ方面ノ敵衝ニ当ルヲ以テ任トス

第十七条 屯田兵本部次長ハ屯田兵中少佐ノ内一名ヲ以テ之ニ任シ長ヲ補佐シテ部事ヲ整理シ長事故アル時ハ其代理ヲ為スコトヲ得

第十八条 本部副官ハ屯田兵大尉一名ヲ以テ之ニ任シ本部長ノ命ヲ奉シ部事ヲ整理シ課僚書記ノ勤惰ヲ監ス

第十九条 大隊長ハ屯田兵少佐之ニ任シ部下ノ指揮ヲ掌リ勤惰能否ヲ監視シ又開墾授産等隊中百般ノ事務ヲ総理ス

第二十条 大隊副官ハ屯田兵中尉之ニ任シ其隊中ノ庶務ヲ掌リ下副官以下大隊附下士ノ勤惰ヲ監視ス

第二十一条 大隊下副官ハ屯田兵曹長之ニ任シ大隊副官ノ命ヲ受ケ大隊中ノ庶務ヲ掌リ其細務ニ服セシム

第二十二条 中隊長ハ屯田兵大尉之ニ任シ部下ノ指揮ヲ掌リ勤惰能否ヲ監視シ又開墾等隊中ノ事務ヲ総理ス

第二十三条 小隊長ハ屯田兵中少尉之ニ任シ部下ノ指揮ヲ掌リ勤惰能否ヲ監視シ又中隊長ノ命ヲ受ケ開墾耕嫁等ノ事務ヲ分掌ス

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