「新・兵村会規則」の版間の差分

2013年7月16日 (火) 15:31時点における版

兵村会規則

明治23（1890）年

第一条　兵村会ハ毎兵村ニ之ヲ置キ兵村公共ノ事件ヲ議スル処ニシテ移住后第三年ニ至リ之ヲ開ク
第二条　会員ハ凡十戸（百戸未満ノ兵村ハ八戸）ニ付壱名ツゝ投票ヲ以テ之ヲ定ム撰挙ハ戸主ニ限ルト雖被撰挙権ハ戸主ニ非ルモ妨ナシ
第三条　会員ノ任期ハ四年トシ毎二年其半数ヲ改撰ス但初回ニ於テ解任スへキ者ハ抽籤ヲ以テ之ヲ定メ退任ノ会員ハ再任セラルゝ事ヲ得
第四条　当撰会員外次点ノモノヨリ予メ候補者ヲ定メ置キ欠員アルトキハ順次補欠スルモノトス但補欠会員ハ前任者ノ残任期間在職スルモノトス
第五条　会員撰挙ノ場所日時等ハ中隊長之ヲ定メ前以テ告示スベシ
第六条　当撰人ハ中隊長ニ於テ正当ノ理由アリト認ムルニアラサレハ之ヲ辞スルヲ得ス
第七条　兵村会ハ兵村公共ノ事業ニ関スル件並官ヨリ特ニ委任セラレ叉ハ諮問セラルゝ事件ヲ議スルモノトス
第八条　兵村会ノ議スベキ事件概ネ左ノ如シ但地方行政ニ抵触スルヲ得ス

　一、公有共有ノ財産及営造物ニ関スルコト
　二、予備役満期後出師準備用諸物品保存監視ニ関スルコト
　三、学校維持ニ関スルコト
　四、開墾耕稼ノ事業奨励及改良ニ関スルコト
　五、勤勉貯蓄方法ニ関スルコト
　六、災害互救方法ニ関スルコト
　七、道路橋梁溝渠修築ニ関スルコト
　八、兵村ニ係ル費用ノ予算決算収入方法並滞納者処分方法ヲ定ムルコト

第九条　議案ハ予メ会長ヨリ中隊長ヲ経由シ大隊長ノ承認ヲ得テ会員ニ配布ス
第十条　決議ハ中隊長ヲ経由シ大隊長ノ承認ヲ得テ之ヲ執行ス但其事項ハ大隊長ヨリ司令官ニ報告スベシ
第十一条　会員撰挙後ニ於テ会長及副会長各三人ヲ互選シ中隊長ニ差シ出スへシ中隊長ハ其中ニ就キ之ヲ定ム
第十二条　会長副会長ノ任期ハ各二年トス若会長故障アルトキハ副会長之ニ代リ副会長故障アルトキハ年長ノ会員ヲ以テ会長トス
第十三条　会長ハ議事ニ係ル一切ノ整理ニ任ス
第十四条　会員撰挙後ニ於テ常置委員四人ヲ互選ス其任期ハ二年トス
第十五条　常置委員ハ会長ノ指揮ヲ受ケテ議案ヲ調整シ且其説明ニ任ス
第十六条　常置委員ハ決定事件執行ノ責ニ任シ兵村負担ノ費用ヲ収支シ兼テ通常会ニ於テ前年ノ事業報告及決算報告ヲ為ス
第十七条　兵村会ハ毎年春期一回通常会ヲ開ク会期ハ凡十日以内トス其他急施ヲ要スル事件ニ限リ臨時会ヲ開クコトヲ得
第十九条　通常会臨時会トモ会場及会時日ハ予メ中隊長ノ承認ヲ受クへシ
第十九条　兵村会ハ書記ヲシテ議決ノ顛末等ヲ記録セシメ而シテ其記録ハ会議済ノ後之ヲ朗読シ会長副会長常置委員書記之ニ署名ス
第二十条　書記ハ二人以内会員外ヨリ会長之ヲ選出ス
第二十一条　常置委員並書記ハ兵村会ノ決議ニ依リ日当ヲ支給スル事ヲ得
第二十二条　二個以上ノ兵村ニ関スル事件ヲ議セントスルトキハ中隊長ヲ経由シ大隊長ノ承認ヲ得テ聨合兵村会ヲ開ク事ヲ得
第二十三条　聨合兵村会ノ会員ハ兵村会ノ会員ヲ以テ之ニ充ツ会長ハ各兵村会会長ノ中ニ就キ大隊長之ヲ定ム
第二十四条　聨合兵村会ノ議案ハ予メ会長ヨリ大隊長ノ承認ヲ得テ会員ニ配布其決議モ亦大隊長ノ承認ヲ得テ之ヲ執行ス
第二十五条　前三条ノ外聨合兵村会ニ係ル諸件ハ兵村会ニ準ジテ施行ス
第二十六条　以上定ムル条項ノ外兵村会ニ要スル諸規定ハ大隊長之ヲ定ム
第二十七条　兵村会ハ中隊長之ヲ管理シ大隊長之ヲ監督ス但聨合兵村会ハ大隊長之ヲ統括ス
第二十八条　兵村会ノ決議不適当ト認ムルトキハ中隊長（聨合兵村会ハ大隊長以下之ニ仝シ）之ヲ再議セシムルコトアルヘシ
第三十条　本則中中隊長大隊長トアルハ中隊叉ハ大隊ヲナサゝサル隊ニ在テ其隊長之ニ当ル

関連

• 兵村会規則　　　　明治21（1888）年
• 改正・兵村会規則　明治22（1889）年
• 新・兵村会規則　　明治23（1890）年